となりあう景色(復) - ドラクエ9☆天使ツアーズ
ミオはこれまで、多くの本に触れる機会がなかった事に気づかされていた。村にいた頃は、教会か、買い付けに行っていた商人が仕入れるか、旅回りの商隊が扱っているかどうか、という程度。それも、勉強の本を除けば絵本や童話が主だったのだ。だから今こうして、裁縫に関する専門的な事が書かれた書籍を目にして、父の言動から教わるのではなく文字という情報を読み込む事で自分の知識となっていく体験は新鮮で、いつしかそれに没頭していた。ミオ自身の意識さえもそこにはなかっただろう。「悪い、遅くなった」という外部の雑音すらも届いていなかった。「おい、そんなに暗いところで読めてるのか?」それがミカの言葉だと認識することもなく、暗い、という言葉に不意に気が散ったのを感じた。暗い、ああそういえばなんだか暗い気がする、そうか、こんなに暗いのは陽が陰って...となりあう景色(復)